ディスプレイ広告を配信する際には精度の高いターゲティングが必要不可欠です。Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)ではユーザーの検索履歴を基にした「サーチキーワードターゲティング」というターゲティング手法があるのをご存じでしょうか?
リターゲティング広告については、Google広告をはじめとする各媒体でも実施は可能です。しかし、サーチキーワードターゲティングは、検索エンジンを運営することで得られるデータを活用できるYahoo広告ならではの機能と言えるでしょう。
サーチキーワードターゲティングを上手く活用することができれば、ディスプレイ広告のパフォーマンスを上げることができるはずです。今回の記事ではサーチキーワードターゲティングについて詳しく解説していますので、是非ご参考にしてください!
※2023年11月 追記あり:【ディスプレイ広告】サーチキーワードターゲティングの移行と提供終了について
YDAサーチキーワードターゲティングとは?
サーチキーワードターゲティングとは、特定キーワードの検索履歴のあるユーザーをターゲティングすることのできるYahoo!ディスプレイ広告(YDA)の配信手法のことです。正式な名称はサーチキーワードターゲティングですが、単にサーチターゲティングやサーチワードターゲティングという形で使われることもあります。
サーチキーワードターゲティングの仕組み
サーチキーワードターゲティングはYahoo!JAPANが保有するユーザーの検索履歴データを基にして配信されます。サーチキーワードターゲティングが配信される広告枠は、Yahooディスプレイネットワークです。Yahooディスプレイネットワークとは、Yahoo!JAPANのトップページやYahoo!JニュースなどのYahoo!関連サイト、およびYahooが提携するパートナーメディアの総称です。
つまりターゲットのユーザーには、Yahooディスプレイネットワーク上の様々な広告枠でリーチすることが可能です。そのため広告の在庫数は非常に豊富となっており、競合他社との過度な入札競争になりにくくなっています。
検索広告よりもクリック単価が安い
サーチキーワードターゲティングの特徴として最も重要なことがクリック単価の低さにあります。近年では検索広告のクリック単価が高騰してしまい、広告効率が低下してしまっています。特に競合性の高いキーワードでは予算の大きいクライアントでなければ勝負できないこともしばしばです。
そこでYDAサーチキーワードターゲティングを利用することで、検索広告よりも安いクリック単価で特定のキーワードで検索したことのあるユーザーを集客することができます。潜在的にニーズのあるユーザーに高い精度でリーチできることから、非常に高い広告効果が期待できます。
サーチキーワードターゲティングの具体的な設定方法
サーチキーワードターゲティングに限らず、Yahooディスプレイ広告では広告管理画面上から配信の設定をしていきます。まだYahoo!広告のアカウントを開設されていない方は公式サイトよりお申し込みください。
サーチキーワードリストの設定
サーチキーワードリストは、ターゲットにしたい検索ワードをリストにしたものです。複数のキーワードを登録することができるため、まとめて管理することが可能です。例えば類似するキーワードについては同じサーチキーワードリストにして、別の切り口のターゲットがあればサーチキーワードリストを分けることで管理しやすくなります。
サーチキーワードリスト名は任意の名称を入力します。分かりやすいものにしておくと良いでしょう。ターゲットにするサーチキーワードに候補は検索して探すことができます。上記の画像では「掃除機」で検索していますが、掃除機を含む関連ワードが一覧で表示されています。検索期間はデフォルトで30日間、検索回数はデフォルトで1回以上となっています。
ターゲットにしたいキーワードがあった場合にはチェックボックスにチェックを入れればリストに追加されます。パソコンでの検索数、スマートフォンでの検索数、タブレットでの検索数も表示されていますので、予算に応じて絞り込むようにしてみてください。
最後に「作成」ボタンを押してください。
キャンペーン、広告グループの作成
サーチキーワードリストが作成できたら、次はキャンペーンと広告グループを作成します。既にYDAでの運用経験がある方は同じステップになりますので、難しいところはないと思います。サーチキーワードリストの設定は広告グループ単位になりますので、広告グループ作成時の画面にて設定をするのを忘れないようにしてください。
広告クリエイティブの入稿
キャンペーンと広告グループを作成し、サーチキーワードリストの設定が完了したら、広告のクリエイティブの入稿をします。こちらも通常のYDAと同じであるため、特に詳しい設定方法は省きますが、入稿規定に沿ってクリエイティブを作成しておくようにしましょう。
サーチキーワードターゲティングでパフォーマンスを上げるコツ
精度の高い広告配信ができるサーチキーワードターゲティングですが、闇雲に配信しても成果を上げることは難しいでしょう。以下ではサーチキーワードターゲティングのパフォーマンスを高めるためのコツを紹介していきます。なかなか成果がでていない広告主様は参考にしてみてください!
検索広告で成果の高いワードを指定する
既に検索広告を実施していて広告効果が高いワードが明らかになっている場合には、それらをサーチキーワードリストに含めるようにしましょう。
よくやってしまう設定としてはターゲットが検索していそうなワードを設定してしまうことです。例えば、20代の女性にリーチしたいから「ファッション」や「カフェ」といった商品やサービスとは関連性の低いワードをリストに含めないようにしてください。
競合ワード(社名、サービス名、ブランド名)を指定する
サーチキーワードターゲティングでは競合名の設定も可能です。競合に興味を持って検索したことがあるユーザーにリーチできるわけですから、類似の商品・サービスを提供している自社にも興味を持ってもらいやすいはずです。当然ですが、競合ワードを指定することに違法性は全くなく、むしろ積極的に活用していくべきと言えます。
期間や回数を絞り込む
サーチキーワードリストの作成時に期間や回数の設定をすることが可能です。
サーチキーワードターゲティングの注意点
ユーザーの検索履歴がターゲティングできるサーチキーワードターゲティングですが、注意しなければならない点もあります。これらを理解していないと効果的な設定ができないため、しっかりと把握しておいてください。
検索数の少ないワードは設定できない
サーチキーワードリストでは、すべての語句が登録できるわけではありません。検索数の少ないワードについては候補に表示されないため、広告配信に利用することはできません。
パフォーマンスを上げるコツとして競合ワードを設定することとしていましたが、競合が認知されておらず検索数が少ない場合には設定ができないということになります。また「不動産」や「東京 不動産」といったワードは設定できても「○○町 不動産」というような限定された地域名が含まれる場合などは配信が難しくなってきます。
完全一致での指定はできない
サーチキーワードターゲティングで設定したワードは、完全一致ではありません。つまり、設定したワード以外の関連する語句での検索履歴があれば、広告配信対象になる可能性があります。
例えば「不動産」を登録した場合、「東京 不動産」と検索した人は広告配信対象になります。逆に「東京 不動産」を登録した場合、「不動産」とだけ検索した人は広告配信対象にはなりません。また、検索語句の順番は問わないため、「不動産 東京」は広告配信対象になります。
YDAにおけるその他のターゲティング
YDAで設定できるターゲティングはサーチキーワードターゲティングだけではありません。その他のターゲティングも上手く組み合わせることで、さらに効率的な広告配信が実現できるようになるでしょう。
リターゲティング
リターゲティングは過去に自社サイトを訪問したユーザーをターゲットにする広告のことです。リターゲティングタグをサイト内に設定することで、ユーザーに対してCookieを付与します。Cookieが付与されているユーザーに絞り込んで配信できるため、非常に高い効果が期待できます。
プレイスメントターゲティング
プレイスメントターゲティングはYahoo!ディスプレイネットワーク上の特定URLにある広告枠に配信する広告のことです。広告を配信したい先が明確にあれば、プレイスメントターゲティングは非常に有効は手法と言えるでしょう。ただし、特定URLといっても指定できるものは限られているため、プレイスメントリストの作成時に確認してみてください。
コンテンツキーワードターゲティング
コンテンツキーワードターゲティングは特定のキーワードに関連するコンテンツ内に配信できる広告のことです。サーチキーワードターゲティングと非常に似ているため、混同してしまう方も多いと思いますが、全く異なります。サーチキーワードターゲティングがユーザーの検索履歴をターゲティングするのに対して、コンテンツキーワードターゲティングはあくまで広告枠内にあるコンテンツ(記事や文章など)が基準となります。
サイトカテゴリーターゲティング
サイトカテゴリーターゲティングは、広告配信先のテーマを指定する広告となります。テーマはカテゴリーで分かれており、200件以上の中から選択することができます。コンテンツキーワードターゲティングがキーワードでコンテンツを指定することに対して、サイトカテゴリーターゲティングは決められたカテゴリーの中から選ぶことになるので、自由度が低い反面、リーチは広がる形になります。
※サイトカテゴリーターゲティングの提供は終了しました。
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは、ユーザーの興味関心をターゲットにする広告全般を意味します。リターゲティングもオーディエンスターゲティングの一種とも言えますが、ここでは敢えて分類しています。
オーディエンスターゲティングで指定できる興味関心カテゴリーは非常に多く、商材にあったカテゴリーを選択することで高い効果が得られやすくなります。
類似ユーザーターゲティング
類似ユーザーターゲティングは特定の興味を持つユーザーとネット上で類似する行動をしているユーザーに配信する広告です。類似ユーザーターゲティングもオーディエンスターゲティングの一種とも言えますが、その中でも特殊であるため、分けて紹介しています。
例えば特定のページを訪れた人や商品を購入した人の類似ユーザーに配信することで、広告効果が高まりやすくなります。類似ユーザーの拡張度は1~10段階で設定することができ、1に近いほど類似度が高く、ユーザー数は少なくなります。
YDAについてもっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
お困りならワンエイティへご相談
ここまでサーチキーワードターゲティングやYahooディスプレイ広告の解説をしてきましたが、これからWeb集客を始めようと考えている方にとっては十分には理解できない難しい内容だったかもしれません。また広告配信ができたとしても成果が表れずに、広告費を無駄にしてしまうケースも少なくないでしょう。
もしそういった悩みがあれば、株式会社ワンエイティに相談してみませんか?ワンエイティではWeb集客の実績が多数あり、広告主様にとって最適なプランニングをすることが可能です。今回のサーチキーワードターゲティングだけではなく、検索広告やSNS広告などのご提案も可能です。
\ご相談は無料です!/
まとめ
サーチキーワードターゲティングはYahooディスプレイ広告の中でも非常に強力な配信手法です。場合によっては検索広告よりも高い広告効果が期待できます。ただし広告の設定や運用には気を付けなければならない点もあり、しっかりとしたプランニングが必要なことは言うまでもありません。
本記事を参考にしていただき、効果的なプロモーションができるようにしていただければと思います!
2023年11月追記
Yahoo!広告よりリリースがありましたので、追記します。
サーチキーワードターゲティングについては2023年12月11日にオーディエンスリストターゲティングの1つとして集約されることになります。
従来のサーチキーワードターゲティングではキーワード一覧から選択する形でしたが、今後は任意のキーワードを入力することができるようです。入力したキーワードについては審査が行われ、一部のキーワードでは広告配信ができません。
サーチキーワードターゲティングの移行と提供終了について