インターネット広告と聞いて思い浮かべるのは、検索広告(リスティング広告)もしくはディスプレイ広告と答える人が多いのではないでしょうか。見たことがない人はいない、知らない人はいないくらいどちらも認知されている広告となっています。
今回の記事では「ディスプレイ広告」について解説をしていきます。ディスプレイ広告の特徴やメリットを知っていただき、どのような目的に適しているのかを考えてみてください。またディスプレイ広告で成果を出すために必要なポイントについても紹介していますので、参考にしてみてください!
ディスプレイ広告とは?その他のインターネット広告とは何が違うのか
ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリなどの広告メディアに費用を支払うことで掲載されるインターネット広告(オンライン広告)のことです。ディスプレイ広告をクリックすると広告主のウェブサイトやアプリストアに遷移します。
ディスプレイ広告は特に静止画や動画などの広告フォーマットで配信されるのが一般的です。そのため、記事広告(タイアップ広告)やメール広告などとは区別されています。
単にディスプレイ広告といっても明確な定義があるわけではないので、人によってとらえ方が異なります。広告の配信先や広告のフォーマットによって呼び方が変わってきますので、コミュニケーションを取る上では使い方に注意をしましょう。
バナー広告との違い
ディスプレイ広告=バナー広告のイメージがありますが、バナー広告は静止画や動画の広告フォーマットを指す場合が多く、テキスト広告での配信ができるような場合はディスプレイ広告と言う方が分かりやすいと思います。
近年ではレスポンシブディスプレイ広告といったテキストとバナーを組み合わせた広告フォーマットが主流となってきていることから、バナー広告とは呼ばれなくなってきています。
検索広告(リスティング広告)との違い
検索広告(リスティング広告)はGoogleなどの検索結果に表示されるキーワード連動型広告を指します。検索結果のみにテキスト形式の広告が配信されるということから、ディスプレイ広告とは区別されています。
SNS広告(InstagramやTiktokなど)との違い
InstagramやTiktokなどのSNSに掲載される広告は、SNS広告と呼ばれています。ディスプレイ広告の一種として考えられますが、SNS広告では特に「ネイティブ広告」「インフィード広告」の特徴があり、コンテンツと広告の見分けがつきにくいようにデザインされています。
知っておいてほしいディスプレイ広告3つの特徴
ディスプレイ広告の特徴を「広告フォーマット」「課金方式」「運用型と予約型」の3つの観点から解説していきます。
広告フォーマット
広告フォーマットとは、広告が配信されるクリエイティブ形式のことです。ディスプレイ広告の広告フォーマットは静止画もしくは動画を基本としています。ただし、一部ではテキストの広告フォーマットも含まれます。
課金方式
ディスプレイ広告の課金方式は、インプレッション課金(CPM課金)もしくはクリック課金(CPC課金)となっているのがほとんどです。インプレッション課金はディスプレイ広告の表示に対して広告費が発生するもので、クリック課金はディスプレイ広告のクリックに対して広告費が発生します。
その他に期間保証やインプレッション保証となっているディスプレイ広告もあります。
運用型と予約型(純広告)
ディスプレイ広告には運用型と予約型があります。予約型はYahoo!ディスプレイ広告での名称で他の媒体ではあまり使われていません。一般的には純広告と呼ばれることが多いと思います。
運用型の特徴としては入札制(オークション制)となっているため、広告費が変動します。また広告の開始や停止も自由に設定が可能です。一方で純広告は広告枠や広告掲載期間、広告費などがあらかじめ決められています。期間保証やインプレッション保証となっているのは純広告に分類されます。
デジタルマーケティングにおけるディスプレイ広告のメリット
潜在層にリーチできる
潜在層とはニーズが明確になっていないユーザー層を指します。検索広告はキーワードで探している情報が明確になっている顕在層にリーチできることに対して、ディスプレイ広告は潜在層にリーチができるのが大きな特徴です。
潜在層は現在のところ商品やサービスに興味を持っていないけれど、中長期的に見れば顧客になりうる存在と言えます。ディスプレイ広告で潜在層への認知を獲得できれば、購買へとつながる可能性が高くなるでしょう。
少ない予算でも多くの広告表示回数が見込める
検索広告の場合、人気のキーワードは入札で競合する可能性が高く、広告費が高くなってしまうケースが多く見られます。これは、そのキーワードの検索数が限られているからであり、広告在庫が少ないことが原因として考えられます。
その点、ディスプレイ広告の広告在庫は豊富にあります。運用型のような入札制であっても、著しく広告費が高騰することは少ないと言えるでしょう。予約型は事前に広告費が決められているので、ある程度の見込みは立てることが可能です。ただし広告枠やユーザーなどのターゲットを絞り込みすぎると高騰する要因になるので気を付けましょう。
様々なフォーマットで訴求できる
人間はテキストよりも画像や動画の方が多くの情報を得ることができます。ディスプレイ広告で配信されるリッチなクリエイティブによって、多くのメッセージを伝えることができるのも非常に有用なポイントです。
ターゲットを絞り込んで配信することもできる
ディスプレイ広告ではユーザー属性(性別、年齢など)でターゲットを絞り込んで配信できるものもあります。その他にもインターネット上の行動履歴から興味関心などをターゲティングすることもできます。
ディスプレイ広告が難しいとされるデメリット
コンバージョンが獲得しにくい
コンバージョンは広告の目的となるユーザーアクション(購入や会員登録など)を指します。ディスプレイ広告は潜在層にリーチするため、すぐにアクションを実行することが少なく、コンバージョンを獲得しにくい傾向にあります。
例外としてリターゲティング広告のような既に商品やサービスに興味を持っているユーザーにターゲティングすることができれば、コンバージョンを効率的に獲得することが可能です。
ブランディングには広告費が多く掛かる
潜在層にリーチすることができるディスプレイ広告ですが、認知を獲得するためには多くの広告費が必要になります。1人のユーザーに数回のディスプレイ広告を表示しても認知されるのは難しいので、ある程度の期間や予算を考えてブランディングしていくようにしましょう。
広告配信先が不透明になりやすい
あらかじめ広告枠が決まっている純広告を除いて、ディスプレイ広告の広告配信先はネットワーク化されており、非常に多岐に渡ります。そのため、実はブランドにそぐわないような広告枠に掲載されている事例もあります。
公序良俗に反するような広告枠には配信されてないよう管理されていますが、それでも不透明な部分も多く残っており、ブランドを毀損していないか不安が残ります。
クリエイティブ制作に時間や費用がかかる
リッチなクリエイティブを広告として配信できるのがディスプレイ広告のメリットですが、しっかりとしたイメージ画像や動画を制作するには時間や費用がかかってしまいます。これは、テキストだけで完了する検索広告と比較したときに、ディスプレイ広告のデメリットとして挙げられます。
ディスプレイ広告を掲載できる代表的な広告プラットフォーム
Google広告(Google Display Network:GDN)
Google広告ではGoogleと提携しているメディアに広告を配信することができます。個人ブログでも審査に通過すれば提携することができ、世界最大級のアドネットワークとなっています。
Googleディスプレイ広告については詳しくは下記の記事をご覧ください。
Google公式ヘルプは下記になります。
ディスプレイ キャンペーンでは、Google ディスプレイ ネットワークで視覚に訴える広告を配信できます。ディスプレイ ネットワークを使用すると、何百万ものウェブサイトやアプリ、Google の所有するサービス(YouTube や Gmail など)を閲覧しているユーザーにアプローチできます。
Yahoo!広告(Yahoo! Display Ads:YDA)
Yahoo!広告ではYahoo!と提携しているメディアに広告を配信することができます。日本最大級のポータルサイトを運営していることもあり、Yahoo!ニュースをはじめとした多数のメディアにディスプレイ広告を配信することが可能です。
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)について詳しくは下記の記事をご覧ください。
Yahoo!広告の公式ヘルプは下記になります。
Yahoo! JAPANのトップページや広告の掲載枠があるWEBサイトに、画像や動画付きで表示できる広告です。 広告出稿の目的( コンバージョン、動画再生、サイト誘導など)に合わせた運用が可能です。
DSP
DSP(Demand Side Platform)は様々なアドネットワークに広告配信できるシステムの総称です。DSPを提供しているベンダーは多数ありますので、それぞれの特徴から選定する必要があります。
SmartNews Ads(スマートニュース広告)
SmartNews Ads(スマートニュース広告)はネイティブ広告として知られていますが、広義にはディスプレイ広告と言えるでしょう。
ディスプレイ広告で主流となっている2つのターゲティング方法
ディスプレイ広告でのターゲティング方法は大きく「人」か「面」か、の二択です。
「人」によるターゲティングは、ユーザー属性や興味関心などによってターゲットを絞り込むことを意味していて、オーディエンスターゲティングと呼ばれます。
「面」によるターゲティングは、広告配信先を絞り込むことを意味していて、コンテンツターゲティングもしくはコンテキストターゲティングと呼ばれます。
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングでは、ユーザーの年齢や性別、興味関心などで絞り込んで広告を配信します。興味関心は媒体によって定義されたカテゴリーで選択するものや、指定したキーワードやURLなどから興味を推定するものなどがあります。
リターゲティング
オーディエンスターゲティングの中にはリターゲティングも含まれます。リターゲティングとはサイト訪問履歴を持つユーザーに絞り込んで配信する広告です。
コンテンツターゲティング(コンテキストターゲティング)
コンテンツターゲティングは、名前の通り広告配信先のコンテンツをターゲティングする広告で、コンテンツ連動型広告とも呼ばれます。最近ではコンテキストターゲティングとも呼ばれ、ITPによるサードパーティークッキーの利用制限に伴い、注目されています。
ディスプレイ広告で効果を出すために重要なポイント
ディスプレイ広告で効果を出すためのポイントを以下にまとめました。いずれも成果につながる重要な要素になりますので、しっかりと確認してください。
広告の目的を明確にしよう
まずはディスプレイ広告を配信する目的を明確にしましょう。ブランディングをして認知を獲得したいのか、コンバージョンを獲得したいのかで、広告プランは異なります。できれば、どのような成果が得られるのかシミュレーションして、配信後は広告の評価を行うようにしてください。
ターゲットを明確にしよう
広告の目的を設定したら、ターゲットを明確にしましょう。目的がブランディングであれば潜在層向けに広くリーチを取ると良いでしょう。コンバージョンが目的であれば、ターゲットを絞り込んで、できるだけ購買につながりやすいユーザーにリーチできるようにしましょう。
クリエイティブを工夫しよう
どのようなメッセージを伝えれば広告の目的が達成できるのか考えてみてください。適切なクリエイティブで広告配信することで、効果が高まります。
ランディングページを工夫しよう
ディスプレイ広告をクリックした後のリンク先をランディングページと呼びますが、そこでもユーザーに何を伝えるべきか考えましょう。またUI・UXを工夫することで、広告の目的も達成しやすくなります。
まとめ:目的に合わせたディスプレイ広告を配信して、マーケティングを成功させよう
ディスプレイ広告を実施する上では、まずは目的を明確に設定して、それに沿った形でプランニングを行う必要があります。何となく始めても思ったような成果を得ることはできませんので、十分に検討するようにしてください。
株式会社ワンエイティでは「ディスプレイ広告」の運用代行を行っています。ディスプレイ広告に関するご相談は下記のフォームよりお問い合わせください。