ウェブ広告においてコンバージョンの計測は当たり前になっていますが、初めて広告を配信しようとしている方にとっては少し分かりにくい部分もあり、ハードルが高いと感じてしまうこともあると思います。
今回の記事ではコンバージョン(CV)について詳しく解説しています。コンバージョン数を増やすための方法なども紹介していますので、既にコンバージョンの計測ができている方も参考にしてみてください!
コンバージョン(CV)とは?まずは意味や定義を理解しましょう
コンバージョン(Conversion)とは、ウェブサイト訪問者がビジネスの成果やゴール、もしくは目的となる特定の行動をすることです。単にCV(シーブイ)と略されます。
目的の行動というのはウェブサイトによって異なりますが、例えばECサイトであれば商品購入や会員登録、コーポレートサイトであれば資料請求やお問い合わせなどがあります。
そのため、コンバージョンはオンラインマーケティングでは非常に重要な指標として扱われます。コンバージョン数が多いほど、得られた成果が大きいと判断されます。
知っておきたいコンバージョン(CV)計測の仕組み
よく「コンバージョンが計測されない」という問題が発生します。コンバージョン計測の仕組みを知っておかなければスムーズには解決できません。コンバージョンがどのように計測されているのか、その仕組みについても知っておきましょう。
現在のところ、ウェブ広告におけるコンバージョン(CV)は、Cookie(クッキー)によって計測されることが多くなっています。Cookieとはブラウザ(ChromeやSafariなど)に保存されるデータのことで、ユーザーのウェブサイト閲覧情報などが含まれています。
Google広告やYahoo!広告などのコンバージョン計測は、広告をクリックした際にその情報をCookieとしてブラウザに保存し、広告の遷移先で特定の行動することで、Cookieの有無によって広告の成果(コンバージョン)として認識します。
ユーザーが特定の行動に至ったかどうかはコンバージョンタグと呼ばれる主にJavascriptコードによって判別されます。例えば、サンクスページ(購入完了ページ、問い合わせ完了ページなど)にコンバージョンタグを埋め込んでおくことで、ユーザー行動を把握できるようになります。
つまり、Cookieによって広告クリック情報を保存し、コンバージョンタグによってサイト上の行動を把握し、それぞれの情報から広告の成果として計測できるようにしています。
その他にもコンバージョン計測の方法はありますが、まずは基本的なCookieを使った仕組みを覚えておきましょう。
正しくコンバージョン(CV)を計測するメリット
ウェブ広告ではコンバージョン以外にもいくつかの指標があり、表示回数(インプレッション数)やクリック数などはCookieを利用しなくても確認することができます。
ただしコンバージョン計測をしていない場合、実際に売上や問い合わせにつながっているかどうかは分かりません。いくら広告が表示されていて、クリックが多くされていても売上につながらなかったら意味がありません。
コンバージョン計測を含めて正しい広告効果を分析・評価することで、積極的に広告投資をするべきか、逆に効果の見込めない広告をやめるべきかの判断ができるようになります。
機械学習による広告の最適化
コンバージョン計測のメリットとして、広告の正しい評価の他に、近年では機械学習による広告の最適化が挙げられます。どのようなユーザーがコンバージョンしているのかを自動で判定して広告配信を最適化していく仕組みで、これにはコンバージョンの計測が必要になります。こうした機能を上手く活用することで、より効率的な広告配信が実現可能です。
もしもコンバージョンが計測できない場合には下記の記事を参考にしてみてください。
具体的なコンバージョンのポイント
コンバージョン計測のメリットや仕組みについて、ご理解いただけますでしょうか。それでは次に具体的にどのようなユーザーアクションをコンバージョンにすれば良いか考えていきましょう。コンバージョンを設定する際の参考にしてみてください。
主なコンバージョンポイントには以下のようなものが考えられます。
購入
ECサイトの場合、コンバージョンポイントは商品の購入になると思います。商品の単価が異なる場合には1つのコンバージョンあたりの価値を設定しておくことで、売上の計測まで行うことができます。
会員登録
会員制度のあるメディア運営をしている場合には、会員登録をコンバージョンのポイントにすると良いでしょう。会員登録をしてメールアドレスなどの個人情報を取得することで、メルマガなどでもリーチすることができ、メディアとしての価値も高まるかと思います。
お申し込み
商品ではなくサービスを提供している場合には、オンライン上でのお申し込みをコンバージョンとするケースがあります。無料プランとしてコンバージョンを計測しつつ、有料プランへの移行も別のコンバージョンポイントとして計測することで、実際に売上につながっているかどうかも検証することが可能です。
予約
ホテルや旅館のような宿泊施設では予約をコンバージョンとして計測するのが一般的です。その他にも実店舗があるビジネスにおいて来店予約などもコンバージョンとして計測すると良いでしょう。
通話
ユーザーの中にはフォームの入力が面倒に感じる人も多くいますので、通話での問い合わせ窓口も用意して、コンバージョンとして計測しておくようにしましょう。特に緊急度の高いサービス(鍵トラブル、水回りトラブルなど)では、重要なポイントになります。
資料請求
BtoBのような社内導入にあたり検討が必要なサービスなどは、まずは資料請求をしてみるという方も多くいます。資料請求によって得られたリードは重要な見込み顧客ですので、コンバージョンのポイントとして設定しておくと良いでしょう。
お見積り
他社との比較や社内の稟議にあたり見積りが必要な場合は、資料請求などとは別にお見積りフォームを用意してコンバージョンを計測します。より検討度合いが高いため、売上につながりやすいと考えられます。
応募
求人サイトの場合は、求職者からの応募をコンバージョンポイントとして設定します。
お問い合わせ(相談)
ウェブサイトを見て気になることや質問があれば、お問い合わせフォームにて問い合わせを行いますが、興味がなければフォームへの入力はしませんので、見込み顧客になる可能性が高く、コンバージョンポイントとして考えておくと良いでしょう。
コンバージョン(CV)の種類
コンバージョンには、いくつかの種類がありますので、それぞれの意味の違いを知っておきましょう。
総コンバージョン
総コンバージョンは、一人のユーザーが複数回コンバージョンした場合も含めた延べ数を指します。ECサイトなどでは1ユーザーによる複数回のリピート購入が考えられますので、購入回数は総コンバージョンで分析されることもあります。
ユニークコンバージョン
ユニークコンバージョンは、総コンバージョンとは異なり、一人のユーザーが複数回コンバージョンしても1回とカウントすることを指します。
マイクロコンバージョン
マイクロコンバージョンは、コンバージョンとしたいユーザー行動の前に発生するであろう手前のコンバージョンを指します。フォーム完了をコンバージョンとするなら、フォーム入力画面やフォーム確認画面をマイクロコンバージョンとすることがあります。
オフラインコンバージョン
オフラインコンバージョンは、サイト上(オンライン)でのユーザー行動ではなく、実店舗(オフライン)での購入や来店などのコンバージョンを指します。
Google広告の来店コンバージョンについては詳しくは下記の記事をご確認ください。
クリックスルーコンバージョン
クリックスルーコンバージョンは、広告をクリックした後にコンバージョンしたことを指します。
ビュースルーコンバージョン
ビュースルーコンバージョンは、広告を見てクリックせずにコンバージョンしたことを指します。広告をクリックしていなくても、広告を見た後に検索してサイトを訪問してコンバージョンにいたるケースもあるため、ビュースルーコンバージョンも広告の成果として考えることもあります。
コンバージョン(CV)を増やすためには
コンバージョン(CV)を増やすためには、「クリック数を増やす」もしくは「コンバージョン率を高める」必要があります。
クリックを増やす
商品やサービスに興味を持っているユーザーがサイトに多く訪問してくれれば、必然的にコンバージョンは増加します。そのため、広告施策としてコンバージョンを増やすためには、まずクリック数を増やすことが重要であると考えられます。
クリック数を増やすための具体的な施策については以下の通りです。
広告予算を増やす
一般的に広告予算を増やすことでクリック数を増やすことにつながります。ある程度の成果が見込めるようであれば、積極的に広告予算を増やしてサイトのアクセス数を増やしてみると良いでしょう。
クリック単価を抑える
同じ広告予算でもクリック単価を抑えることで、クリック数は増加します。クリック単価を抑えるためには入札単価を下げることや広告の品質を高めることなどが考えられます。
コンバージョン率(CVR)を高める
クリック数を増やさなくても、コンバージョン率を高めることで、コンバージョン数は増加します。コンバージョン率(Conversion Rate)はクリックした人がコンバージョンに至った割合を指します。
コンバージョン率を高める具体的な方法は下記になります。
ターゲットを見直す
リスティング広告ではキーワード、ディスプレイ広告やSNS広告では興味関心など、誰に広告を配信するかを絞り込めるのがウェブ広告の利点です。ターゲットを見直して、より顧客になり得るユーザーにリーチすることでコンバージョン率は改善します。
LPや広告クリエイティブを見直す
コンバージョン確度の高いユーザーにリーチしても、広告としての訴求・メッセージがなければ購入や問い合わせには至りません。しっかりと商品やサービスの良さを伝える、コンバージョンに至りやすい導線設計をするなど、LPや広告クリエイティブでコンバージョン率を高めるための工夫が必要です。
コンバージョン(CV)に関連する用語一覧
コンバージョンに関連するウェブ用語についても知っておきましょう。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率は、広告をクリックした人のうち、コンバージョンに至った人の割合です。計算式は「クリック数÷コンバージョン数」で求めることができます。10クリックされてコンバージョンが1件の場合、コンバージョン率は10%となります。
コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン単価は、1コンバージョンあたりに掛かった広告費用のことです。「広告費÷コンバージョン数」で求めることができます。10万円の広告費に対して10件のコンバージョンが獲得できれば、コンバージョン単価は1万円となります。
コンバージョン値(コンバージョンの価値)
コンバージョン値(コンバージョンの価値)は、1コンバージョンあたりの価値(もしくは売上)を指します。複数の金額の異なる商品やサービスを展開しているサイトでは、コンバージョン値を設定して、どのくらいの売上に貢献したのかを計測することができます。
ROAS(広告の費用対効果)
ROAS(ロアス:Return On Advertising Spend)とは広告の費用対効果を指す言葉で、「コンバージョン値÷広告費」で求めることができます。広告費1万円で、コンバージョン値(売上)が10万円の場合、ROASは1,000%になります。一般的にROASが高いほど広告効果が高いと判断されます。
まとめ:正しくコンバージョンを計測して、広告を最適化しよう
ウェブ広告の成果を正しく評価するためにはコンバージョンの計測は必要不可欠です。ウェブ広告を未経験で始めてしまうとコンバージョンの計測をしないまま広告を配信してしまう場合も多々見られます。コンバージョン数が分からなければ、改善施策も不透明になり、広告を最適化することもできなくなります。広告の目的となるコンバージョンがあれば、なるべく設定することが望ましいと言えるでしょう。
株式会社ワンエイティではコンバージョンに関するご相談を承っております。「コンバージョンの計測ができない」「コンバージョンが減っている」など、お困りのことがございましたら、以下のフォームよりお問い合わせください。