WEB広告で商品やサービスを宣伝する際、通常は販売サイトでのコンバージョンを確認できますが、レストランや自動車販売店など店舗への来店が重要なビジネスでは、店舗に訪れる顧客の数を把握することが不可欠です。広告を見た人が実際に店舗に訪れたかどうかを測定する指標が「来店コンバージョン」です。
どうやってWEB広告から来店を計測できるのか、その概要や仕組みをこの記事では説明していきます。来店計測をしたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
来店コンバージョンとは
来店コンバージョンは、広告を閲覧またはクリックしたユーザーが実際の店舗に訪れた際に計測される指標です。広告を閲覧またはクリックしたユーザーの位置情報サービスやWi-Fiからのシグナルなどを総合的に考慮し、広告が来店にどれだけ影響を与えたかを測定します。
このように来店コンバージョンを設定することで、オンラインでのコンバージョンだけでなくオフラインでのコンバージョンも含めた総合的な投資対効果を確認することができ、よりROAS(広告費用対効果)を高めることが可能です。
来店計測の仕組み
Googleアカウントにログインしロケーション履歴を有効にしているユーザーが、広告を閲覧またはクリックします。その後、ユーザーが実際の店舗に来店すると位置情報などから来店情報として紐づけられます。
来店コンバージョンは、匿名で集計された統計情報を使用しているため個人の特定はされずユーザーの全体的な人数が算出されます。
来店コンバージョンの利用条件
Googleはユーザーのプライバシー維持のため利用条件を見たしている場合のみ来店コンバージョンが利用できます。
基本的な条件
- 店舗が来店コンバージョンのレポートの利用対象となる国に所在していること。
- 店舗がデリケートなカテゴリに該当すると見なされないこと。たとえば、ヘルスケア、宗教、性的なコンテンツ、子供に関連するビジネスの店舗はデリケートであると判断され、来店コンバージョンの対象外となります。
住所アセットの設定条件
- 広告で住所アセットかアフィリエイトアセットを使用すること。
- 広告のクリック数やインプレッション数と実店舗への来店数が十分にあること。
- Google ビジネスプロフィール アカウントで住所アセットを使用している場合は、店舗の所在地がビジネス プロフィールでセットアップされており、すべての店舗のオーナー確認がビジネス プロフィールで完了していること。
来店コンバージョンの設定方法
広告表示オプションの住所アセット(またはアフィリエイト住所アセット)が設定されているか、Googleビジネスプロフィールとの連携が完了した場合、特定の利用条件を満たしていれば来店コンバージョンは自動的に反映されます。
住所アセット・アフィリエイト住所アセットの設定方法
店舗を所有している広告主様の場合は「住所アセット」、所有していない店舗で商品やサービスを販売している広告主様は「アフィリエイト住所アセット」を使用します。
アセット>住所アセットをクリックします。
地域かアフィリエイト住所のどちらかを選択します。(ここでは地域を選択しています。)
住所アセットをどうやって紐づけるかを選択します。
Googleビジネスプロフィールをクライアントが管理している場合には、「別のビジネスプロフィールマネージャアカウントへのアクセス権をリクエストしてください」を選択しリクエスト承認をしてもらいます。
これで住所アセットの設定は完了です。
住所アセットを有効にすると、モバイル デバイス、パソコンを問わず、検索ネットワーク、ディスプレイ ネットワーク、YouTube ネットワーク、Google マップ上において、店舗情報を表示できます。
来店コンバージョンの確認方法
設定が完了し利用条件を満たしていれば、しばらくすると来店コンバージョンが表示されます。
ツールと設定>コンバージョン に来店が表示されているか確認してください。
診断ページの確認方法
来店コンバージョン レポートについてご不明な点がある場合は、[診断] ページを使用しましょう。アカウント内で来店コンバージョン レポートに影響を与えている可能性のある具体的な問題など、詳しい情報を確認できます。
ツールと設定>コンバージョンをクリックします。
来店コンバージョン>診断パネルに移動をクリック
診断データの見方
- 現在のステータス: 来店コンバージョンレポートの状況が表示されます。
- 地域: アカウントに地域がリンクされているかどうか(アフィリエイト住所アセットまたは住所アセット)が表示されます。
- 住所アセットを使用しているキャンペーン: アカウントに含まれるキャンペーンのうち、住所アセットを使用しているものの件数が表示されます。来店データは、住所アセットを使用しているキャンペーンでのみレポート対象となります。
- 店舗の拠点情報の確認: 来店コンバージョンのレポートを作成するには店舗の拠点情報の確認が必要なため、ビジネス プロフィールで確認が完了している拠点の割合が表示されます。
- Google チェーンにリンクして住所アセットまたはアフィリエイト住所アセットを有効にしている場合、これらのビジネスはオーナー確認済みです。
- データのしきい値: プライバシーの基準を満たし、来店コンバージョンのレポートを作成するのに十分なデータがアカウントにあるかどうかが表示されます。
- コンバージョン トラッキングの設定: アカウントのコンバージョン トラッキングが MCC アカウント単位で設定されているかどうかが表示されます。これはコンバージョン トラッキングが MCC アカウント単位で設定されている場合にのみ表示されます。
- コンバージョン値: アカウントで来店コンバージョンにカスタムのコンバージョン値が(たとえば、コンバージョン値レポートやスマート自動入札で使用するために)追加されているかどうかが表示されます。
まとめ
来店コンバージョンを設定することで、どのキーワードや広告が実際の店舗への来訪や購入につながっているかを把握することができ、広告の効果的な最適化が可能となります。これにより、顧客のニーズや関心をより深く理解し、効果的なマーケティング戦略を展開することができます。利用条件をクリアしていないと使用できませんが、ぜひ活用してみてください。