Google広告では品質スコアという言葉をよく耳にします。広告パフォーマンスに影響をしますので、運用担当者では知らない人はいないといっても過言ではないでしょう。
しかしながら、品質スコアや広告の品質については不透明な部分も多く、色々な解釈もあるように思います。そのため運用担当者のスキルが試されるところでもあり、正しく理解をしておくべきでしょう。
今回の記事では「品質スコア」の特徴や改善方法について詳しく解説しています。これから広告を運用される方も、既に運用していて広告改善に行き詰っている方も参考にしてみてください。
品質スコアとは?広告の品質や広告の有効性との違い
品質スコアとは、Google広告における「広告の品質」を他の広告主と比較してキーワード毎に評価する数値(スコア)のことを指します。「広告の品質」が高いほど、つまり品質スコアが高いほど他社よりも広告が優れているということになります。Google広告では他社の広告よりも優れていることで、優位に広告を配信することができます。品質スコアを高く保つことが、広告パフォーマンスを上げるための一つの施策であると言えます。
広告の品質について
広告の品質はGoogleにとって非常に重要な仕組みとなっています。
例えば検索広告で考えてみましょう。Googleで「不動産」と検索すれば多くの不動産情報がヒットしますが、これに対して広告主が検索広告として配信すれば、見込みの高い検索ユーザーをウェブサイトに集客できます。一方でウェブサイト内に物件数が少ない、あるいは関連性の低い自動車サイトにリンクするような場合、ユーザーにとって不利益でしかありません。このような場合は「広告の品質」が低いと評価せざるを得ないでしょう。
ユーザーのニーズを満たすということが「広告の品質」そのものであり、検索広告の根幹となっていると考えて良いと思います。また、これらはSEO対策と近しいものがありますので、SEO対策に詳しい方は理解しやすいのではないでしょうか。
「広告の有効性」との違い
広告の品質と似ている指標に「広告の有効性」があります。
「広告の有効性」は、広告クリエイティブが十分に設定がされているかどうかを示すものです。レスポンシブ検索広告やレスポンシブディスプレイ広告などは、未完了・低い・平均的・高い・非常に高いで評価されますが、これらが直接的に広告のパフォーマンスに影響を受けることはありません。
つまり広告の有用性が低いからといって一概に悪いというわけではなく、Googleが推奨する設定になっているかどうかという指標となります。
これだけは知っておきたい品質スコアの大きな3つの特徴
品質スコアの大きな特徴は以下の3つが挙げられます。
10段階の評価
品質スコアは10段階の評価になります。10が最も高く、1が最も低くなります。例外として、十分なデータがなく品質スコアが表示されない場合もあります。
キーワード毎の評価
品質スコアはキーワード毎に算出されます。またキーワードが検索クエリと一致している場合のものを評価しています。
他の広告主との比較
品質スコアは他の広告主との比較になりますので、高いほど競合他社よりも優れた広告となっていることが分かります。
品質スコアの改善に必要な3つの要素
品質スコアの改善に必要な要素は以下の3つとなっています。それぞれの項目において「平均より上」「平均的」「平均より下」のステータスがつきます。
ランディングページの利便性
「ランディングページの利便性」は広告のリンク先がユーザーにとって有益なものとなっているかどうかを表します。コンテンツが充実していることやページの表示速度なども影響していると考えられます。
広告の関連性
「広告の関連性」はキーワードが広告内容と関連しているかどうかを表します。広告と関連性の低いキーワードを設定すると、品質スコアは悪くなる傾向にあります。
推定クリック率
「推定クリック率」は広告文(見出しや説明文など)のクリック率が高いかどうかを表します。あくまで推定となっているため、実際のクリック率とは異なる点に注意が必要です。
品質スコアを改善するメリット
広告ランク(掲載順位)は大きく広告の品質と入札単価によって決定されます。広告の品質が高ければ入札単価が低くても広告ランクは高くなる可能性があり、クリック単価についても抑えられる可能性があります。
クリック単価が低く抑えられれば同じ予算で多くのクリックが期待できますので、コンバージョン数の増加およびコンバージョン単価の抑制も期待できます。
品質スコアをレポートでチェック
品質スコアはGoogle広告の管理画面上で確認することができます。メニューの「検索キーワード」から表示項目をクリックして、品質スコアの項目を開きます。
品質スコアのカテゴリーには以下の項目が含まれます。
品質スコアは現在の品質スコアを表し、品質スコア(履歴)とあるのは対象レポート期間の数値を表します。対象レポート期間を先月にすれば、先月の品質スコアが分かるので、改善されているかどうかの確認が可能です。その他の項目についても、(履歴)とある項目で過去の数値が確認できます。
クリック単価が改善された、もしくは悪化した場合には、品質スコアが変動していないかを確認すると良いでしょう。もちろんクリック単価が下がった場合の要因は他にも考えられるので、あくまで広告の品質が改善されたかどうかの検証となります。
例えば、競合の入札状況が変わった場合にもクリック単価が変動しますが、オークション分析などを利用することで要因の特定につながるかもしれません。オークション分析については、下記の記事を参考にしてください。
品質スコアの具体的な改善方法
品質スコアは「ランディングページの利便性」「広告の関連性」「広告の推定クリック率」によって評価されますので、改善方法についても項目に沿って施策を講じていきます。
ランディングページを変更する
ランディングページの利便性が「平均的」「平均より下」となっている場合には変更をしてみましょう。具体的な方法には以下のようなものが考えられます。
検索クエリと関連性の高いページにする
ランディングページを検索クエリと関連性の高いページにしましょう。全ての広告のリンク先をトップページにしている広告アカウントも多いのですが、場合によってはカテゴリーページや商品・サービス詳細ページの方が適しているかもしれません。
コンテンツを充実させる
ユーザーにとって必要な情報がなければニーズを満たすことができず、離脱につながってしまいます。コンテンツを充実させて、問い合わせや来店などのアクションにつなげやすくしましょう。検索しているユーザーが何を求めているのかをしっかり把握して、コンテンツに落とし込むようにしてください。
スマートフォン対応のサイトにする
今では当たり前になっていることではありますが、スマートフォンでも見やすいようにサイトをモバイル対応にしましょう。スマートフォンに限らず、見にくいサイトはユーザーの離脱につながる傾向にあります。
ページの表示速度を高める
画像や動画などが重くなってしまうと、ページの表示速度が落ちてしまい、ユーザーがアクセスしてもなかなか表示がされないということが起こります。特にスマートフォンでは通信速度が遅い場合もあり、こうしたことも離脱につながってしまいます。
広告文にキーワード・検索クエリを含める
広告文(特に見出し)にはキーワードや検索クエリを含めるようにしましょう。そのためには以下のような方法があります。
キーワード挿入機能を活用する
キーワード挿入機能は設定したキーワードを広告文に含める機能です。同じ広告グループ内でも複数のキーワードに対して動的に広告文に含めることができるため、より簡単に品質スコアの改善ができます。
キーワード挿入機能は以下の文字列を設定します。
{KeyWord:〇〇〇〇〇}
KeyWordの部分には設定したキーワードが自動的に挿入され、キーワードの文字数が多くて入りきらない場合には〇〇〇〇〇の部分が代用されます。
広告カスタマイザを活用する
広告カスタマイザもキーワード挿入機能と同じように動的に広告文を生成できる機能です。キーワード挿入機能よりも自由度が高く、自然な広告文を表示させることが可能です。
キーワード毎にグルーピングして、それぞれに広告文を作成する
キーワードのテーマ毎に広告グループを細かく分けることで、そのテーマに適した広告文を設定することも可能です。複数の広告グループを作成する形になりますが、アカウント構造としては分かりやすいものとなります。
クリック率が高まるよう具体的で魅力的なコピーを作成する
広告文内にキーワードを含めるだけではなく、よりクリックがされやすいように魅力的なコピーを作成するようにしましょう。ただ商品・サービスの特徴を入れるだけではなく、それらを裏付けるようなデータがあると競合との差別化にもつながりますので、クリック率の向上が期待できます。具体的には「月間相談件数100件以上」「導入社数1,000社突破」「○○賞金賞を獲得」「今だけ30%オフ」などが考えられます。
品質スコアのよくある間違いに注意
品質スコアは非常に重要な指標ではありますが、間違った捉え方をしている広告主も多くいます。以下ではよくある間違いについて紹介していますので、正しく理解しておくようにしましょう。
品質スコアはあくまで目安
品質スコアはあくまで目安になりますので、実際の「広告の品質」を反映しているわけではありません。ランディングページや広告を修正しても即座に影響することはありませんので注意が必要です。
必ずしも品質スコアが表示されるわけではない
キーワードのインプレッションなど十分なデータがなければ、品質スコアは表示されません。品質スコアが表示されないキーワードに対して、対策を行っても検証はできませんので、検索ボリュームの多いキーワードで改善していくようにしましょう。
品質スコアが高くてもクリック単価が高い場合もある
品質スコアはあくまで目安であり、また広告ランクには入札価格も影響するため、品質スコアが高くてもクリック単価が低くなるというわけではありません。
マッチタイプは影響しない
同じキーワードでマッチタイプを変えても品質スコアには影響がありません。品質スコアはキーワードと検索クエリが一致した場合の評価になりますので、品質スコアを上げるためにマッチタイプを変更するということは適切な改善施策ではありません。
まとめ:品質スコアを改善して広告効果を高めよう
品質スコアを改善することで、広告効果を高めることができます。「ランディングページの利便性」「広告の関連性」「広告の推定クリック率」を意識して、広告を作成するようにしましょう。
品質スコアが高いからと言って、ビジネスの目標を達成できるわけではありません。あくまで広告を評価するための指標のひとつにすぎないため、こだわりすぎるのも得策ではない場合もあります。最終的なゴールを念頭に置いて運用するようにしてください。
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